皆さんは走っているトラックを1日に何台見かけますか?意識して見ていないだけで、相当数のトラックが街中を走っています。今回の記事は、車体の大きいトラックによる目の錯覚と、トラックドライバーが如何に安全運転を心掛けているかを説明させていただきます。

この画像に見覚えはありませんか?
昨今、あおり運転をはじめ、逆走運転、アクセル・ブレーキの踏み間違えなど、今まででは考えられないような交通事故や事件が多発しています。
車を運転している方なら、ルームミラーいっぱいに映りこんでいるトラックを一度は見た事があると思います。はたしてそのトラックは本当にあおり運転をしているのでしょうか?残念ながらあおり運転をしているドライバーもいますが、トラックドライバーの多くは安全運転を心掛け、適切な車間距離を保っているはずです。その車体の大きさから起こる目の錯覚をご紹介します。


乗用車と大型トラックの車間距離はそれぞれ何メートル離れているでしょうか?
正解は、どちらの車両も2メートル離れています。乗用車の方は、あえて車格が大きいアルファードにしてみましたが、いかがでしょうか、この圧迫感の差は。大型トラックが前方の車に2メートルまで接近する事は、停車中でも滅多にありません。写真でお分かりになると思いますが、停車していても、ここまで近づいてしまうと、前方の車両のドライバーさんに恐怖心を与えてしまうので、停車時でも十分に車間を取る必要があるのです。では、次の写真をご覧ください。


今度は5メートル離れた写真です。乗用車、大型トラック共に停車時なら十分な車間距離ですね。大型トラックの車格とトラックの両脇の乗用車の車格を比較すると、さらに大型トラックの大きさがより分かると思います。では、今度の写真は….

こちらは20メートル離れている写真です。これだけ車間距離が取れていれば、走行中でも前方の乗用車を運転しているドライバーさんに恐怖心を与える事はないと思います。実際は、もっと車間距離を取って運転しているトラックドライバーさんの方が多いと思います。
このように、乗用車と同じ車間距離を取っていても、ルームミラーを見る人によって受けるイメージは大きく変わってきます。時代は令和になり、ドライブレコーダーを搭載するのがマストになったいま、事業用トラックを”安全”に運転しているトラックドライバーさんは全国に数多くいるはずです。ここからの話は安全運転を心掛けているトラックドライバーさん目線で話をしていこうと思います。
目次
なぜ車間距離を広く取るかの
①乗用車と違い停止距離が長いから
これは想像に容易いと思いますが、乗用車と違い車体が大きいトラックは、それだけ車両重量も重いので、ブレーキを踏んでから停止するまでの停止距離は当然長くなります。
ちなみに普通自動車の車両重量は、「ワゴンR:850kg シエンタ:1220kg プリウス:1380kgクラウン:1530kg アルファード:1940kg」ざっとこんな感じです。ですがトラックの車両重量は荷物を積んだ状態だと、中型トラックで8000kg!大型トラックになると23000kgにもなります!!トラックには積む品目合わせて仕様が異なるので、全てのトラックが同じ重量にはなりませんが、車体の大きさから普通自動車よりも圧倒的に重いです。
②荷物を積んでいる時に急ブレーキをすると、積み荷が荷崩れを起こすから
荷崩れをすれば、商品が破損する可能性が非常に高くなります。その際、会社によっては、ドライバーさん自身が破損した代金を負担する場合があります。弊社でも商品が破損した場合、破損した原因を追究し、ドライバーさんの不注意による破損と分かった場合、代金の何割かを負担してもらっています。なので、緊急時でもなるべく急ブレーキを踏まないよう、車間距離を広く保って走行をしています。
ドライバーさんによって、他にも様々な意見があると思いますが、上記の2点が大きい理由だと思います。あとは冒頭にも述べましたが、あおり運転ブームがあるので、神経を遣って余計に車間距離を広く取っている可能性も十分にあると思います。
これらのことから、トラックドライバーさんは、ただ運転しているだけだと思う方もいると思いますが、車格・積荷から計算された運転をしているのです。
と、声を大にして言いたいですが、運転マナーが悪いトラックドライバーさんもいるのが現実です。ですが、時代は昭和から平成、令和と時は流れ、以前と違い、黒煙をまき散らし、乗用車同様のスピードで運転している運送会社は年々減少している事を分かってほしいです。その一方で、以前では考えられなかった「あおり運転」や「逆走運転」など世の中の運転マナーが年々悪くなっています。

このようなシチュエーションはよくあると思います。トラックは前方の車両との車間距離をしっかり保って走行をしていますが、トラックの前に平然と車線変更をして入ってくる乗用車がいます。その乗用車が入り込んでも十分車間が確保できていれば、運転操作に緊急性を要しませんが、目の前に急に入り込んできたら、急ブレーキを踏むしかありません。荷物を積んでいたら荷崩れ覚悟でブレーキを踏むのです。積荷が荷崩れを起こし、破損商品を買い取るなら、まだマシな方だと思います。最悪、止まり切れず追突事故を起こしてしまったら、おそらくトラックの方が過失割合は高くなるでしょう。それに、トラックは車体が大きいので目立ちます。世間のイメージも合わさって「またトラックが事故ってるよ。」きっとそう思われるでしょう。その為、最近のトラックはドライブレコーダーや車間警報装置などを搭載し、自分たちの身を守っています。しかし、そんな機能を搭載しても、世間がトラックに持つイメージを良い方向にしていくのは、なかなか難しいです。
東日本大震災の時、各地に食料や燃料・資材を運んだのは運送会社です。大雪などの天災時も同様です。何が言いたいかというと、トラックドライバーさんは
縁の下の力持ち
だという事です。日々、トラックを邪魔者扱いしている方々は、大勢いると思います。ですが、そこには日々ひたむきに働き続けるドライバーさんがいる事を忘れないで欲しいです。
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